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引退前贈与による復帰時の贈与撤回紛争の調停案

今回は、ネトゲ引退から復帰によって引き起こされるトラブルについて

私なりに妥当だと考えた調停案を、法律的なことも交えて述べるものであります。

なぜ調停なのかというと、ネトゲの狭い社会関係にとって、民事法律に則した紛争解決は、将来的に継続するだろう社会関係にとって馴染むものではないからであります。

当事者が互いに譲りあえるところは譲り、道理や実情にかなった紛争解決を行えるための一助となれば幸いだと思っております。

この記事は、紛争当事者というよりも第三者として仲介する人向けに書かれているものであります。

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想定しているトラブルについて
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引退した装備の贈与の返却についてのトラブルとは、具体的にこのような2つの事例です。

①Aさんは引退したとき、もうすべてのものが要らなくなったので、親しい友人Bさんに装備をあげました。
しかし、Aさんはそのネトゲを引退してから1年後復帰しました。
復帰の際、装備に困ったAさんが、まだネトゲを続けていたBさんにあげた装備を返して欲しいと要求しました。
Bさんはもらった装備は、今手元にあるが自分の装備で必要不可欠なものであるから無理だと主張しました。
Bさんは、Aさんにもらった装備を返さなければならないか?

また別の事例で…

Cさんは引退すると決意し、要らなくなった装備を親しい友人Dさんに装備をあげました。
しかし、Cさんはやっぱりネトゲが止められなくて、一週間で戻ってきました。
復帰の際、あげた装備はやっぱり必要になったから、友人Dさんに返して欲しいとお願いしました。
Dさんは、もうもらったものだから自分のものだから嫌だと主張しました。
Dさんは、Aさんにもらった装備を返さなければならないか?

このような二つの事例どのように考えますか?

①②ともあげたものだから返さなくてもいいと考えますか?

それとも①②とも元々Aさんのものだから返さなければならないと考えますか?

また、①はAさん1年後になって返せと主張するのは非常識だから返さなくていいが、②はAさんが可哀想だから返すべきだと考えますか?

妥当な結論を導くためにどのように考えればいいのか考えてみましょう!

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民法550条:書面に寄らない贈与についての規定と忘恩行為
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条文:書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。

ネトゲにおけるアイテムの無償譲渡は、生前贈与の性質であるため、贈与契約と考えられます。

また書面に寄らない贈与であることは明白であるため、この民法550条が当てはめることができます。

①において、AさんがBさんに「あげる」とチャットし、Bさんが「うん」と了承した時、ここで贈与契約が成立します。
この民法550条は、まだ渡してなければその範囲で撤回可能というと言ってるだけに過ぎません。

つまり、いったんあげるといって、アイテムを引き渡した時点で贈与契約を撤回できないという条理ということであります。

しかしながら、この贈与契約をひっくり返すことができる信義則があります。

それが贈与を受けた側の恩を仇で返す行為(忘恩行為)を行った時のみ贈与を撤回可能ということです。

引退時にアイテムを譲渡された恩を受けながら、復帰時にその恩に報いようとしない態度は、信義誠実ではないというのです。

これは一般的に言えば、道義的負担と呼ばれるものです。

引退時にアイテムを貰ったら、復帰時にその甘受した経済的利益よりも少額にはなるが、支援してあげようと思うのが道理であると社会通念上は期待されているのです。

それを、贈与契約だから貰ったら全部私のものというのは、円満な紛争解決にとって良くないのは理解できますよね。

したがって、BはAに、DはCに道義的負担があるというのです。

そして、この道義的負担というのは贈与契約につき履行義務(債務)ですから、これがいつ消滅するかがポイントなるわけです。

いつ帰ってくるかわからない人のために債務の履行を待っているのは不合理ですし、アイテムを譲渡した側も、自分のためにずっと待っていてもらえるなんて考えるのはおこがましいです。

なので、この債務が消滅する時効をネトゲの時間で考えていくことが重要なのです。

次は、債務履行の時効を探っていきます!

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道義的負担の消滅時効について
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民法167条1項:債権は、10年間行使しないときは、消滅する。

道義的負担債務の反対の相手方の債権は、10年間行使されないときは、消滅します。

つまり、道義的負担の消滅時効は10年です。

しかし、これをそのままネトゲで流れている時間に当てはめるのはいささか不具合が生じます。

なぜなら、ネトゲの平均寿命は3~4年であり、時効の意味をなしていないことになるからです

そのため、ネトゲで流れている時間と現実世界で流れている時間とを比較して、計算します。

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人間の平均寿命とネトゲの平均寿命とを比較して計算する
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【計算式】民法の債権消滅時効×(ネトゲの平均寿命÷人間の平均寿命)=ネトゲの債権消滅時効

【計算結果】
人間の平均寿命約80年 / ネトゲの平均寿命3~4年
民法の債権消滅時効10年 / ネトゲの債権消滅時効4.5~6ヶ月

※時効の起算日は、アイテム引渡しと同時に開始します。


【人間の平均寿命とオンラインゲームの平均寿命を比較する根拠】

現在の日本社会の寿命と比較すべきでありますが、現在の日本社会の寿命が判明していません。
そのため次点として、オンラインゲームの平均寿命がそのままキャラの寿命となると言えることを以て、人間の平均寿命とキャラ(≒ネトゲ)の平均寿命を比較します。
現在の日本社会に近しい社会として便宜上区切ることができるのは、明治維新後の日本社会1867~1945があるが、これは79年であります。
しかしながら当然ながら、社会は断続的に続いているのは自明の理であり、この区切りは政治体制に関する区切りであることは明白です。
故に根拠がなく、また比較することができないため、社会の寿命と比較することは不可能であります。
人間の平均寿命とすればそれなりの説得性を持たせることができます。
また明治維新後の政治体制下の社会の寿命とも近似の値をしているため、この比較においても誤差として納得させることができます。


これらのことを頭にいれた上で、具体的事例として出した①と②の事例の調停を考えてみましょう!

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①の事例の調停案例
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Aさんは、Bさんに1年前にあげたアイテム返還を請求しました。

しかし、Bさんがそれに応える道義的負担は、既に時効で消滅しています。

また、ネトゲの時間で1年というとかなり長い上、4.5~6ヶ月もの間アイテムを保全していたBさんは、その義務を履行していたと考えられます。
また、1年後とAさんの非常識さが客観的に認められる為、Aさんの請求は不当であると分かります。

しかし、だからといってAさんにビタ一文やる必要はないというのは、和解・調停という意味では失格です。

例えば、Aさんから100相当のアイテムを貰ったとします。
このアイテムは返すことができないが、25くらいで勘弁してもらって、復帰後の支援という無形資産と少しずついらなくなった資産で総計50相当まで返還という形でもいいわけです。
あくまでBさんに過度の負担を強いない程度で、Aさんとの経済的利益の調和とってやればいいわけです。
そうすれば、Aさん引退前までの良好な人間関係のまま活動開始できるでしょう。

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②の事例の調停案例
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Cさんは、Dさんに1週間前にあげたアイテムの返還を請求しました。

時効前なので、Dさんには、Cさんに対する道義的負担があります。

1週間と非常に短い期間なので、もしアイテムを持っていたら、当然返すべきでありましょう。

また、Dさんは早々にCさんが復帰したことを喜ぶべきであり、Dさんが今後活動するための便宜のためにアイテムを返還することを期待されています。

むしろ「アイテムのことを言ってくるなさっさと引退してろ」という態度は、忘恩行為のなにものでもありませんからこの契約を撤回することに、違和感はないのであります。

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さらに複雑な事例について
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ここでは、アイテムを貰ったがすぐ売ってしまった場合とアイテムを改良してしまったとかの場合を想定しています。

【アイテムを売ってしまった場合】
第三者にアイテムの所有権を主張することはできません。つまり、アイテムが返ってくることはありません。

時効前なら、代価(ゲーム内通貨)による弁済してもらいましょう。物を含めるかは個別に交渉すればいいです。

時効後なら、アイテムそのものを返還する義務はないので、問題はありません。①の調停案例に沿えばよいです。

【アイテムを改良してしまった場合】

時効前なら、アイテムを返還しなければならないが、改良した分の評価価額を返還請求した人が支払わなければ返還する必要はありません。 
返還請求が行われた時点で、債権を行使したことになるため、時効は中断します。

時効後なら、アイテムそのものを返還する義務はないので問題はありません。①の調停案例に沿えばよいです。


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まとめ
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・アイテムそのものを返還しなければならないかどうかは、時効を基準にする。
・時効期間に保全義務はありませんが、売ってしまったり、改変した場合、その代価を弁済しなければならない。
・時効後は、アイテムの贈与によって受け取った利益から少し差っ引いた額の利益を提供するだけで円満解決になる場合がある。

基本的にアイテムを返してくれという人は、アイテムをあげた人との信頼関係を確認したり、また復帰後に迅速に活躍して、それまでのネトゲ内に居たコミュニティに貢献しようという意図があります。

その出鼻を挫くようなことをすれば、言い合いの感情的な紛争になるというものであります。

そもそも今まで仲良くしていた者同士が、高額のアイテムだけで豹変するのは周りの人間も見たくありません。

ある程度の基準(時効)を設けて、それ以内なら返還もしくは相当の弁済には応じるべきでしょう。

また時効があるのは、取引の安全と贈与を受けた者の財産処分行為の保証のためです。

これは両方の利益を勘案したものです。

今あなたは、二人の仲裁と調停指揮者として、この案は妥当であるかどうか考えてみてください。

私は私なりの一つの結論として、この案を発表致します。

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